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【倉吉民藝ツアー】鳥取短期大学の学生と一緒にパイロットツアーを行いました

11月5日の『倉吉民藝ツアー〜白壁土蔵群・郷土作家の足跡編〜』に先がけ、鳥取短期大学 国際文化交流学科の学生2名と一緒にパイロットツアーを実施しました。

徹頭徹尾「民藝漬け」の1日。ツアー後には参加した感想をいただくとともに、この日の様子をレポートにまとめていただきました。

(あわせて、協会スタッフのレポートもお伝えします。)

ツアー実施に向けて学生の皆さまからいただいた意見も反映しつつ、より満足感のあるものを目指します。

興味・関心を持たれた方はぜひツアーへのご参加をお待ちしております。

※今回のパイロットツアーではスケジュールの都合上、11月5日実施のツアー行程から一部変更があります


 

①ミニ講座

まずはくら用心にて、渡邊先生によるミニ講座からスタート。

一般的な「民藝とは何か」といった解説、長谷川富三郎氏を中心とした倉吉の作家についての紹介から始まりました。

少々マニアックな『倉吉の民藝』というテーマを展開する上で、大事な導入部分となります。

とっつきにくそうなお話も身近なものに置き換えられ、分かりやすく進んでいきます。

ミニ講座といいつつも全然ミニじゃない内容に早くも満足感を感じつつ、パイロットツアー開始!

 

②倉吉ふるさと工芸館

 学生レポート

「見るのも良し、体験するのも良し。倉吉絣を味わいませんか。」

江戸時代から伝わる倉吉絣。作り手によって一つ一つ丁寧に織り成される藍の芸術品は繊細ですが、丈夫で力強さも兼ね備えています。

様々な商品はそれぞれ柄が違い、持つ味も違うので、ぜひ、自分のお気に入りを見つけてみてください。

また、織物体験ができ、初心者でも丁寧に教えていただけます。

体験すると倉吉絣の手間暇や奥深さが分かり、見る目も変わります。ぜひ、体験してみてください。

 スタッフレポート

「絣(かすり)」の語源は「かすれ(掠れ)」から来ていると言われますが、その独特の模様がなぜ生まれるのか、

実際に織り体験してみることで、その仕組みへの理解を深めました。

またツアーでは過去をたどることもテーマでしたが、今この地で受け継ぐ人たちのパーソナルな部分に触れた時に、

うまく説明できませんが予想外のところで川が流れ始めたという感覚がありました。

(そしてそれが今回のパイロットツアーで気付いた、掘り下げてみたいことの一つになりました。)

ちなみに絣の販売コーナー、気になるものがありすぎて迷います。

 

③はこた人形工房

 学生レポート

「倉吉で江戸時代から親しまれているはーこさん。かわいい干支の置物たちもお出迎えしてくれます。」

作り手によって、はーこさんの顔は異なります。みんなかわいらしいですよ。

はーこさんが完成するまでには、数々の工程があります。

お店に行くと作成している様子を見ることができます。

また、はーこさんやだるまさん、うさぎやネコさんの顔描き体験もできます。

はこた人形だけではなく、かわいらしい干支の置物や因伯牛もあります。一度訪れてみてはいかがでしょうか。

 スタッフレポート

『倉吉ふるさと工芸館』に続き、ここ『はこた人形工房』でも、作り手になったきっかけなどパーソナルな部分に重きを置いてお話をお聞きしました。

郷土玩具は全国各地で後継者不足に喘いでいるのが現状ですが、今もこうして手作業で作られ、現地で購入できるということがますます貴重になっています。

旅行の中でその土地の玩具を買い求めるのが趣味でもあるスタッフですが、このような楽しみがこれからも続いていってほしいなと思います。

(その土地の特徴を表した人形たちを集める行為、現代に置き換えると、リアルな「ポケ○ンGO」といってもよいのではないでしょうか。そう考えると、なんだか身近に感じられないでしょうか!)

 

④COCOROSTORE

 学生レポート

「オーナーが厳選して取り扱う地元密着型の雑貨店。あなたも良いものを生活に取り入れてみませんか。」

「作り手さんが良いものを作れるように、大量発注はしない」オーナーがおっしゃったことは作り手・お客様・環境への思いやりの表れであると思います。

地元のデザイナーや工芸家が端正込めてつくった品であなたの生活に彩りを増やしませんか。

 スタッフレポート

お店が始まってから約10年。倉吉白壁土蔵群のほぼ中心に位置するCOCOROSTOREは、「作る人」と「買う(使う)人」、両者を繋ぐ重要な役割を担ってこられました。

この日はお店を始めたきっかけや、鳥取で多彩な郷土玩具を作り続けた『柳屋』の作品復刻に取り組むプロジェクト「YANAGIYA REPRODUCT」のこと、それにまつわる柳屋さんとのエピソードなど多岐に渡ったほか、最後に「これからやってみたいこと」もお聞きしました。そちらはぜひツアーで。

 

⑤喜太亭 万よし

 学生レポート

「贅沢な空間で贅沢な料理をいただきませんか。」

せいろ蒸しは温かくて秋冬の寒さに沁みます。副菜も美味しいですよ。ゆっくり味わいたいお料理です。

ところで、「喜太亭」の名前の由来を知っていますか?「喜太亭」は板画家である棟方志功が万よしに来たときに、「来たでー(来たよー)」と言ったことで名付けられました。

この作品はイカ墨で描かれたそうです。(※画像2枚目・鯉)

 スタッフレポート

棟方志功が何度も訪れた老舗割烹店。

棟方氏の逸話をメインに、大女将の軽快なトークが楽しく、また本番では違ったお話もありとのことですでに今から楽しみです。

本来は秋から冬に出される「蒸し寿司」ですが、この日は特別にご用意いただきました。

9月末、少し暑さの残る1日となったものの、それでも蒸し寿司の美味しさは格別でした。

 

⑥小川氏庭園 環翠園

 学生レポート

「立つ場所・座る場所が変われば、見えてくる景色・感じる風情も変わります。」

様々な角度から景色が楽しめるように、庭や茶室に多くの工夫が施されています。

亀や鶴の形に見える大きな石もあります。茶室から見える景色を眺めながらお茶とお菓子をいただく贅沢な時間も。

ぜひ、五感を総動員してお楽しみください。

 スタッフレポート

お茶室『南山荘(なんざんそう)』で展示されている貴重な作品たち。

一つ一つに添えられる館長の解説にぐっと引き込まれ、また今日のツアーで散らばっていた様々な要素が繋がる瞬間が何度もあり、

じっくりと味わってもまだまだ時間が足りないほどでした。

名もなき作り手による倉吉絣の美しさ、敷布で使われている絣のモダンなデザインの驚き。

11月は紅葉のシーズンです。ツアーでは絶好のタイミングで訪問します。

 

⑦山陰民具

 学生レポート

「1世紀の歴史を持つ骨董屋さん。お宝探しに出かけませんか。」

3世代に渡って受け継がれてきた骨董屋さん。骨董品の中には前漢・後漢時代のものも。

数少ない、歴史の深い品に出会えます。

 スタッフレポート

パイロットツアーの最後は、長谷川富三郎さんなどとの交流も深く、倉吉の民藝運動を実際に見てきた店主・田村さんが営む骨董店『山陰民具』へ。

たっぷりと1時間、お店を開いた時のお話や学生時代、お父様との思い出など様々なエピソードをお聞きしました。

(冒頭、「録音しとかんでもええか?」というお言葉があり。そう何度も聞けるお話ではないので、録音しておいてよかった。)

少数で囲炉裏をかこむ距離感の近さ、外から聞こえる雨音も含めて、どことなく感傷的な締めくくりとなりました。

 


ツアーを終えてまず感じたのは、これだけの方々のお話を聞くだけでも簡単に出来ることではないな、ということでした。

立ち寄り自体はいつでも可能なお店もありますが、今回のようなツアーでは、同行者から投げかけられる質問であったり

参加者同士の会話であったり、リアクションの一つ一つ、それは自分以外の誰かと時間を共有することの面白さで、

これもツアーならではの醍醐味だと強く感じました。

『民藝』という言葉に対する関わり方、それが作り手なのか、売り手なのか、買い手なのか人によって違いますが、

倉吉に限らず、そういった興味・関心を持つ方が増えていくといいなと思います。

ツアーで感じたこと、参加された皆さまそれぞれに持ち帰るものがあれば嬉しいです。(観光協会スタッフ)

 

ツアーではぜひまち歩きもお楽しみください

ツアーでは、まち歩き中もちょっとした『気になる』スポットをご紹介。

民藝に関係していたり、そうでなかったり、ぜひあわせてお楽しみください。


『倉吉民藝ツアー 〜白壁土蔵群・郷土作家の足跡編〜』

ツアーに向けたショートインタビューを公開中です

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